▼富山から北アに入山、東京の男性死亡(2011/10/23信毎)

 富山県立山町にある北アルプス・龍王岳の標高約2450b地点の崖下で21日、県消防防災ヘリコプターが死亡している男性を発見。22日、東京都大田区本羽田の会社員楠本仁志さん(41)と確認された。

 県警上市署によると、死因は頚椎(けいつい)損傷。楠本さんはヘルメットやロープを装備しており、本人が記録していたメモから、9日にロッククライミング中に転落死したとみられる。楠本さんは立山町の室堂から8日に入山。帰宅予定日の11日を過ぎても帰らないと勤務先から県警に届け出があり、捜索していた。


 ▼北ア西穂高岳付近で埼玉の女性遭難か(2011/10/15信毎)

 14日午前0時40分ごろ、単独で北アルプス西穂高岳に入山した、さいたま市の看護師女性(32)が予定の12日を過ぎても帰らないと、家族から松本署に届け出があった。同署によると、女性は11日に単独で上高地から入山し、西穂高岳から岳沢に向かう計画だった。14日は県警ヘリで捜索したが見つからず、15日も引き続き捜索する。


 ▼八ヶ岳で三重県の男性滑落死(2011/10/09信毎)

 8白午前10時半ごろ、八ヶ岳連峰・赤岳の北側の地蔵尾根で、三重県桑名市の無職加藤正広さん(63)が登山道の北側約50b下のがれ場に倒れているのを通り掛かった登山客が見つけ、茅野署に通報した。県警ヘリコプターで収容し、同署で死亡を確認した。同署によると、死因は脳挫傷。同日、下山途中に滑落したとみられる。


 ▼北ア遭難相次ぐ1人死亡4人重軽傷(2011/9/25信毎)

 北アルプスで24日、遭難事故が相次ぎ、1人が死亡、4人が重軽傷を負った。

 午前10時50分ごろ、前穂高岳北尾根4峰(標高約2.900b)を友人3人と登っていた岡山市の無職橋本洋子さん(59)が約200b滑落した。松本署によると、他の登山者が近くの山小屋に通報。県警山岳救助隊が地上から救助に向かい、県警ヘリに収容したが、頭などを強く打っており現場で死亡が確認された。

 4峰では橋本さんが滑落する30分ほど前に、別の4人パーティーで登っていた横浜市の飲食業山本武治さん(62)が約5b滑落し、肋骨を折った。屏風岩では大阪市の会社員男性(61)が約2b落下、常念岳では岡山市の無職女性(63)が足を滑らせ約10b滑落、それぞれ軽傷を負った。3人はいずれもヘリで松本市内の病院に運ばれた。

 また、松本署によると午後1時半ごろ、前穂高岳東壁を登っていた横浜市の男性が約10b滑落。同行者が午後5時すぎに近くの山小屋に届け出た。同署によると、男性は両腕をけがしているが意識はあるという。24日は日没で救助できず、25日早朝に地上から救助に向かう。


 ▼北ア槍沢で死亡の女性、身元判明(2011/9/23信毎)

 北アルプス槍沢で18日に遺体で収容された女性は、松本署の調べで22日、長野市吉田、無職堀豊子さん(76)と分かった。同署によると、死因は低体温症とみられる。


 ▼槍沢で女性の遺体収容(2011/9/19信毎)

 北アルプス槍ケ岳の槍沢にある天狗原付近で17日夕に見つかった女性は18日午前10時半ごろ、県警ヘリコブターで収容された。松本署によると、既に死亡していた。同署は、単独での登山中に遭難したとみて、身元や死因を調べている。


 ▼北ア唐松岳で男性転落、死亡(2011/9/15信毎)

 14日午前8時10分ごろ、北アルプス唐松岳・不帰瞼(かえらずのけん)から愛知県一宮市の内田正治さん(68)が転落したと、近くの山小屋が大町署に通報した。同日午後5時、県警ヘリコプターが内田さんを収容したが、全身を強く打っており死亡が確認された。同署によると、内田さんは3人パーティーで、鎖場を下っている際に誤って約200b転落したという。


▼西穂高岳で都内の男性死亡(2011/9/11信毎)

 10日午前6時35分ごろ、北アルプス西穂高岳で、県警ヘリが登山道から約200b下の沢で倒れている男性を見つけた。松本署によると男性は既に死亡しており、東京都足立区の会社員清水孝行さん(35)と確認された。同署は男性が登山道から滑落したとみている。9日午前7時40分ごろ、ほかの登山者から「後ろを歩いていた人がいなくなった。滑落したのかもしれない」との110番通報があり、捜索していた。


 ▼南ア塩見岳で不明の女性、無事発見(2011/9/7信毎)

 南アルブス塩見岳の塩見小屋から5日朝、水くみに出たまま行方が分からなかった同小屋アルバイトの伊那市の大学院生女性(召は6日午前6時40分ごろ、小屋から北東へ40分ほど下りた沢で発見された。けがはなかった。伊那署によると女性は、小屋から水場に向かい10分ほど下った地点で滑落、戻ろうとしてさらに滑落し、雨と霧で方向が分からなくなり、その場にとどまったーと話している。天候の回復を待って小屋へ戻る途中、捜索していた小屋従業員が見つけた。


 ▼南ア塩見岳でアルバイト女性戻らず(2011/9/6信毎)

 5日午後3時すぎ、南アルブス塩見岳(3047b)の塩見小屋でアルバイトをしている伊那市内の大学院生女性(23)が水くみに出たまま戻らない、と同小屋から伊那暑に通報があった。同署によると、水場は小屋から往復1時間半ほどの距離で、女性は同日午前8時ごろに小屋を出た。当時は雨が降っていたといい、南ア北部遭対協と6日朝から捜索する予定。女性は過去にも同小屋でアルバイトした経験があり、今季は1日から働いていた。


 ◆夏山遭難今年は77件(2011/8/31信毎)

 県警まとめ昨夏比大幅減

 県警地域課は30日、今年の夏山(7、8月)で発生した岳遭難の状況(28日時点)をまとめた。遭難は77件、遭難者は81人で、過去最悪だった昨夏(104件、110人)を大幅に下回った。ただ、死者は15人に上り、昨年(7〜8月)の16人とほぼ同じ。遭難件数が減ったことについて、同課は8月の悪天候で登山者が減ったことなどが影響したとみている。

 死者以外の遭難者は、行方不明1人、負傷者47人、無事救出18人。原因は転倒30件30人、転・滑落23件25人(うち死者11人)、病気8件8人(同3人)、道迷い7件9人、疲労などが5件5人(同1人)、落石2件2人など。

 今夏は、8月7日に北ア・奥穂高岳と涸沢を結ぶ登山道「ザイテングラード」で、愛媛県の会社員男性(62)と孫の小学2年生男子(8)が落石に遭い、滑落して死亡するなどした。行方不明の1人は和歌山県の無職女性(72)で、八ケ岳連峰に単独で登り、7月29日に下山予定だった。


 ◆全国の海山5人が死亡(2011/8/29信毎)

 8月最後の日曜日となった28日、全国の海や山などで事故が相次ぎ、共同通信の午後8時現在の集計で5人が死亡、木曽郡大桑村の阿寺川、岐阜、鹿児島県で計3人が行方不明となった。

 富山県警によると、北アルプス・剣岳(2999b)で、午前8時45分ごろ、標高2950b付近の登山道から約100b下の岩場に富山県上市町黒川、県職員伊藤富夫さん(59)が転落。頭を強く打ち、病院で死亡した。

 この約50分前には近くで落石があり、同県射水市の男性(69)に当たった。同じパーティーの女性(61)=同県高岡市=も巻き込まれ登山道から転落。女性が腕を骨折するなど重傷、男性が軽傷を負った。

 千葉県君津市のオートキャンプ場近くの川では午後1時50分ごろ、カヌーが転覆、乗っていた男性3人のうち1人(31)が死亡した。このほか福井県の海水浴場や和歌山県の川でも、それぞれ男性が死亡した。


 ◆御岳山の遺体は長野市の男性(2011/8/23信毎)

 木曽郡木曽町三岳の御岳山(3067b)で7月30日に見つかった白骨遺体は、木曽署の調べで22日、長野市小島の職業不詳藤沢誠さんと分かった。死因は不明。同署によると、2007年5月に山頂の山小屋近くの雪中で、当時36歳だった藤沢さんの運転免許証などが入ったザックや登山靴が見つかり、家族から捜索願が出ていた。


 ◆蝶ケ岳で不明の女性、遺体で発見(2011/8/09信毎)

 北アルプス蝶ケ岳で6日に友人とはぐれ行方が分からなくなっていた大阪府和泉市、無職梶本節子さん(69)は8日午前9時ごろ、蝶ケ岳から三股登山口に向かう蝶沢で倒れているのを北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会隊員が見つけた。安曇野署によると、発見時、心肺停止状態でその後に死亡が確認された。死因は低体温症。梶本さんは6日午後5時ごろ、蝶ケ岳南東の大滝山近くにある大滝山荘に立ち寄った後、連絡が取れなくなっていた。


 ◆北穂高岳で都内の男性死亡(2011/8/16信毎)

 15日午前10時15分ごろ、北アルプス北穂高岳を登山中の人が、登山道脇のがけ下に男性が落ちているのを見つけた。松本署によると、男性は既に死亡しており、捜索中の東京都多摩市、公務員水野陽二さん(55)と確認された。死因は多発性外傷で、国署は登山道から滑落したとみている。水野さんは穂高連峰を単独で縦走。水野さんの家族が14日午前、予定の13日を過ぎても帰らないと県警に届け出た。


八ヶ岳で塩尻市の男性死亡(2011/8/11信毎)

 10日午後1時半ごろ、八ヶ岳連峰・横岳の奥ノ院付近で、塩尻市の会社員釼持伸彦さん(49)が岩場の斜面に倒れているのを捜索中の県警ヘリコプターが発見した。茅野署に収容し、死亡を確認した。同署によると、死因は転落による多発外傷。奥ノ院から200bほど滑落したとみられる。

 釼持さんは9日朝に自宅を出て、日帰りで硫黄岳などに登る予定だったが戻らないため、家族が10日午前、県警に捜索願を出していた。


 ◆蝶ケ岳で不明の女性、遺体で発見(2011/8/09信毎)

 北アルプス蝶ケ岳で6日に友人とはぐれ行方が分からなくなっていた大阪府和泉市、無職梶本節子さん(69)は8日午前9時ごろ、蝶ケ岳から三股登山口に向かう蝶沢で倒れているのを北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会隊員が見つけた。安曇野署によると、発見時、心肺停止状態でその後に死亡が確認された。死因は低体温症。梶本さんは6日午後5時ごろ、蝶ケ岳南東の大滝山近くにある大滝山荘に立ち寄った後、連絡が取れなくなっていた。


 ◆涸沢岳で男性滑落死(2011/8/06信毎)

 5日午後0時50分ごろ、北アルプス涸沢岳の岩場で、愛知県豊橋市の会社役員政木通弘さん(73)が約150b滑落し、死亡した。松本署によると、通報した登山者は政木さんが落石を受けて滑落したと話している。政木さんは3日に3人パーティーで入山し、5日は北穂高岳から奥穂高岳へ向かっていた。


 ◆川上で岩登りの男性転落、意識不明(2011/8/06信毎)

 5日午後0時半ごろ、南佐久郡川上村川端下の廻(まわ)り目平にある岩場で、友人とロッククライミングをしていた静岡県袋井市の会社員男性(35)がバランスを崩し、高さ30b付近から7b落下してロープで宙づりになった。近くにいた人が119番通報し、ドクターヘリで佐久市内の病院に搬送されたが、頭を打っており、佐久広域連合南部消防署によると意識不明の重体。


 ◆南アルブス大沢岳で滑落、女性死亡(2011/8/03信毎)

 2日午後4時15分ごろ、南アルブス大沢岳山頂付近で岐阜県富加町の主婦足立小枝子さん(64)が滑落したと、同行の夫らが近くの山小屋などを通じて飯田署に通報した。3日午前7時半ごろ、県警ヘリコプターが山頂から約200b下の急斜面で足立さんを発見したが、死亡が確認された。同署によると、足立さんらは3人パーティーで1日に静岡県側から入山した。


 ◆唐松岳で転落の男性、遺体で収容(2011/8/03信毎)

 大町署は1日、北アルプス唐松岳山頂近くから7月28日に転落した東京都江戸川区の銀行員向井誠さん(31)の遺体を県警ヘリコプタ-で収容したと発表した。


 ◆槍ケ岳で滑落死の男性、身元判明(2011/8/03信毎)

 北アルプス槍ケ岳山頂付近の鎖場で7月30日に滑落し死亡した男性の身元は1日、松本署の調べで新潟県長岡市、無職笠原正雄さん(64)と分かった。


 ◆北ア槍ヶ岳で男性滑落死(2011/7/31信毎)

 30日午後5時ごろ、北アルプス槍ヶ岳山頂近くの鎖場を歩いていた男性が滑落したと松本署に連絡があった。同署によると、槍ヶ岳滞在中の医師が男性の死亡を確認。死亡したのは新潟県長岡市の60代男性とみて調べている。男性は29日、4人パーティーで上高地から入山し、30日は槍ヶ岳から下山中だった。


 ◆八ヶ岳で和歌山の女性遭難か(2011/7/31信毎)

 和歌山県海南市の無職児玉ヤスヨさん(72)が1人で八ヶ岳連峰に登山に出掛けたまま帰らないと、30日までに家族が茅野署に連絡した。同署によると、児玉さんは28日朝に茅野市の美濃戸口から入山し本沢温泉(南佐久都南牧村)付近の山荘に宿泊して29日口に山梨県側に下山する予定だったという。同署は31日、天候の回復を待って県警ヘリコブターなどで捜索する。


 ◆北ア唐松岳で都内の男性滑落、死亡か(2011/7/29信毎)

 28日正午ごろ、北アルプス唐松岳山頂近くの尾根を歩いていた東京都江戸川区の銀行員向井誠さん(31)がいなくなったと、同行者が近くの山小屋を通じて大町署に届け出た。県山岳遭難防止対策協会の夏山常駐隊員が尾根の約100b下で向井さんを見つけたが、頭などを強く打ち、死亡したとみられるという。29日に県警ヘリで収容する予定。同署によると、向井さんは3人パーティーの最後尾を歩いていた。


 ◆八ヶ岳で男性病死(2011/7/28信毎)

 27日午前10時50分ごろ、八ヶ岳連峰・硫黄岳南西の「赤岩の頭」付近で、茅野市北部中学校の学校登山を引率していた茅野市宮川、会社員伊藤博人さん(54)が体調不良で倒れた、と110番通報があった。茅野署と諏訪地区山岳遭難防止対策協会の計6人が救助に向かい、午後4時前に茅野市内の病院に収容したが死亡が確認された。死因は虚血性心疾患。

 同署によると、伊藤さんは茅野山岳会と諏訪地区遭対協に所属。同中が27、28日の日程で行った2年生122人の学校登山を、教諭ら計34人で引率していた。


 ◆北ア船窪岳近く77歳男性滑落死(2011/7/25信毎)

 24日午前8時ごろ、北アルプス船窪岳(2459b)山頂近くの尾根から、登山ツアー客の埼玉県本庄市、無職金井正明さん(77)が転落した。同行のガイドが携帯電話で大町署に連絡し、県警ヘリコブターで収容したが、金井さんは頭などを強く打っており死亡が確認された。

 ガイドや同署によると、ツアーは3泊4日で客10人とガイド2人。24日朝に七倉岳近くの山小屋を出発し、船窪岳付近の尾根筋を列になって歩いていた時に金井さんがバランスを崩した。50b以上滑落したとみられている。


 ◆北ア八方尾根で千葉の女性が滑落、意識不明(2011/6/23信毎)

 21日午後2時半ごろ、北アルプス八方尾根を登山中の千葉県市川市の男性から、一緒にいた妻(50)が滑落した、と携帯電話で119番通報があった。大町署によると、県警ヘリコブターで救助した際、妻は意識不明で松本市内の病院に運んだ。尾根から約100bはど滑落したという。2人は日帰り予定で入山していた。


 ◆北ア餓鬼岳で会社員が滑落死(2011/6/6信毎)

 5日午前4時ごろ、北アルプス餓鬼岳の山頂付近から仲間が滑落したと、同行していた男性が大町署に届け出た。県警ヘリが同6時20分すぎ、山頂から約500b下の南斜面に倒れている山梨県西桂町、会社員小林隼人さん(36)を発見、収容したが既に死亡していた。同署によると、2人は4日に1泊2日の予定で入山。同日夕に小林さんが滑落したらしい。

 


 ◆白馬大雪渓で男性遺体発見(2011/5/12信毎)

不明男性の可能性

 11日正午ごろ、北アルプス白馬岳の白馬大雪渓で、雪崩遭難対策に取ひ阻むNPO法人「ACT」 (北度量郡白馬村)のメンバーが男性の遺体を発見し、大町署に通報した。同署は、4月29日に2人が死亡した雪崩事故の後に行方不明となっている神奈川県の40代男性の可能性があるとみて、12日以降に遺体を収容し、身元を確認する。

 ACTの元村幸時理事長によると、遺体は標高1950b付近で発見。雪崩跡にうつぶせの状態で横たわっていたといい、「暖かさや雨で雪解けが進み、露出したのではないか」としている。

 雪崩事故では、横浜市と千曲市の男性2人が死亡。付近で神奈川県の男性のものとみられるリュックも見つかっていた。


 ◆北アで遭難者2人救助(2011/5/5信毎)

 行方不明男性の捜索難航

 県警は4日、北アルプス白馬岳で「道を下り間違えた」と家族に電話した1日以降、行方が分からなくなっている津市の公務員男性(49)を県警へりで捜索したが、みつからなかった。一方、男性2人が死亡し、他にも遭難者がいるとみられている白馬大雪渓の雪崩規場では、大町署員らが4日も捜索を続けたが、手掛かりは得られていない。

 県警は同日、これとは別に北アで遭難者2人を県警ヘリで救助、それぞれ松本市の病院に搬送した。

 北穂高岳北穂沢では午後7時半ごろ、静岡県沼津市の会社員男性(64)が約200b下に滑落、全身を打つなどのけがをした。白馬岳馬ノ背付近で3日に体調不良を訴え、動けなくなった東京都小金井市の会富員男性(27)は4日午後1時前に救助。命に別条はないという。


 ◆北ア2人の死亡確認(2011/5/4信毎)

 白馬岳で1人行方不明

 県警は3日、北アルプス常念岳で行方が分からなくなっていた静岡市の会鮎官員保科正之さん(56)の遺体を発見し、県消防防災ヘリで収容した。北ア鹿島槍ヶ岳で30日、落雷に遭って心肺停止状態になっていた兵庫県西宮市の学習塾経営小林美智代さん(45)も3日、同ヘリが遺体で収容した。大型連休中の山岳遭難による死者数はこれで8人となった。

 安曇野署によると、保科さんの死因は多発性外傷。同じ寮に住む会社員男性(63)=2日に死亡を確認=と登山中、滑落したとみている。大町署によると、小林さんの死因は感電死だった。

 県内では3日も山岳遭難が相次いだ。同署によると、北ア白馬岳では、津市の公務員男性(49)から「白馬岳で遭難、大雪渓北」とのメールと「道を下り間違えた」との電話が1日にあった後連絡が取れない−との届け出が同日、家族からあった。3日、県警ヘリで捜索したが見つかっていない。

 北ア槍ヶ岳では3日午後1時ごろ、埼玉県春日部市の会社員男性(51)が頂上のはしご場から約10b転落、近くの山小屋の従業員に救助された。松本署によると、男性は背中を打つなど軽傷。北安曇郡小谷村の雨飾山では、単独入山した都内の会外皆貞男性(55)が頂上付近で約10b滑落、左ひざなどを負傷し、県消防防災ヘリで救助された。

 一方、白馬大雪渓で2人が死亡した雪崩事故では、ほかにも遭難者がいる可能性があるとしてこの日も大町署員ら6人態勢で捜索したが、手掛かりは得られていない。


 ◆GWの遭難死6人に(2011/5/3信毎)

 県内、過去5年で最多

 大型連休中の県内で山岳遭難が相次ぎ、4月29日から2日までの死者が計6人に上ったことが同日、県警地域課などのまとめで分かった。大型連休は3日からの後半を残しているが、過去5年間に連休の全期間を通じて死亡した登山者(最多は2006、09年の4人)を既に上回った。

 県内の山岳遭難は2日までに14件発生。4月29日に北アルプス白馬岳(2932b)の白馬大雪渓で起きた雪崩で2人が死亡したほか、滑落などで30日に北ア・蝶ケ岳、八ヶ岳連峰横岳で各1人、5月1日に北ア・槍ヶ岳で1人、同2日に常念岳で1人がそれぞれ死亡した。ほかに、30日に北ア・鹿島槍ヶ岳で落雷に遭った女性は収容できておらず、心肺停止状態という。

常念1人不明きょう捜索

 2日午前5時半ごろ、北アルプス常念岳の標高2700b付近の稜線に男性が倒れているのを登山者が見つけ、常念小屋に知らせた。男性は静岡市駿河区西脇の会社員杉森覚さん(63)で、低体温症で死亡が確認された。杉森さんの同行者の同区の男性会社員(56)も行方が分からず、3日にヘリで捜索する予定。

 一方、4月30日に蝶ケ岳山頂付近の稜線で意識不明の状態で見つかった男性は2日朝、低体温症で死亡が確認された。男性は福岡市西区内浜の会社員古川晋一さん(43)と分かった。1日に槍ヶ岳槍沢で倒れて意識不明だった男性も2日に死亡が確認された。茨城大理学部教授のト部東介さん(57)=水戸市東原=で、松本暑が死因を調べている。

 4月30日に東天井岳と横通岳の間の稜線で足を捻挫した京都市の女性(53)と横尾尾根で滑落した松本市梓川倭の会社員女性(40)、1日に蝶ケ岳山頂付近で右ひじをけがした東京都国分寺市の女性(62)は2日にヘリで救助された。松本市の会社員女性は頚椎骨折などの重傷、他の2人は軽傷。

 また、南佐久都南牧村の八ヶ岳連峰横岳で1日に死亡が確認された男性は、佐久署の調べで千葉県船橋市の会社員塩瀬徹さん(48)と分かった。

 4月29日に北安曇郡白馬村の白馬大雪渓で2人が死亡した雪崩事故では2日、大町署員ら8人が徒歩で現地入りしたが、他に人が埋まっているかどうかの手掛かりはなかった。現場付近では死亡した2人とは別の神奈川県の40代男性の所有とみられるリュックサックが見つかっており、家族も男性と連絡がつかない状態という。


 ◆鹿島槍で落雷女性意識不明(2011/5/2信毎)

  同行男性救助を要請

 1日午前7時11分ごろ、北アルプス・鹿島槍ヶ岳南峰付近で女性が落雷に遭って意識不明となり、同行の男性が救助を求めてきたと、近くの山小屋から大町署に連絡があった。同署は天候が回復し次第、ヘリコプターで救助する方針。

 同署によると、2人は関西方面から訪れ、29日に登山口の大町市大谷原から2泊3日の予定で入山。途中の尾根でテント泊し、30日に頂上へ向かったが、南峰に差しかかった午後3時ごろ、落雷に遭ったという。男性は山中で一夜を明かし、朝になって山小屋にたどりついた。2人は40〜50代とみられるという。

 山小屋の関係者によると、知らせを受けてスタッフが約2・5`離れた南峰頂上まで出向き、倒れている女性を発見した。生存の兆候は確認できなかった。男性に大きなけがはないという。

 長野地方気象台によると、30日の県内は南から暖かく湿った空気が入りやすく、大気が不安定な状態で、同日午後0時20分ごろに県内全域に雷注意報を出していた。

 県山岳遭難防止対策協会講師の丸山晴弘さん(70)=長野市=は「春でも落雷は起きる。山では大気の変化に注意して行動することが重要」としている。気象台によると、県内は寒冷前線が1日夜に通過した後は高気圧に覆われ、6日まで好天が続く見込み。

横岳・槍ヶ岳1人死亡1人重体

 県内では1日、山岳遭難が相次いだ。

 南佐久郡南牧村の八ヶ岳連峰横岳(標高2829b)山頂付近では1日午前、千葉県船橋市の会社員男性(48)が死亡しているのを南佐久地区山岳遭難防止対策協会隊員が確認した。30日に約200b滑落したと連絡があり、早朝から捜索に当たっていた。悪天候でヘリが飛べず、遺体収容はできなかった。同行していた会社員男性(56)も右足を骨折した。

 北ア・槍ヶ岳槍沢の標高3000b付近では1日午後5時ごろ、男性が倒れているのを登山者が見つけ、山小屋を通じて松本署に通報した。別の山小屋の従業員が小屋に運び込んだが、意識不明の重体という。2日朝に県警ヘリが救助に向かう予定。

 同・蝶ケ岳(2677b)山頂付近では同日午後3時半ごろ、東京都国分寺市の無職男性(62)が転倒。安曇野署によると、右腕を骨折しているもよう。

 北安曇郡小谷村栂池高原では山スキー中に沢に滑落し、仲間とビバークしていた浜松市の男性(57)が県警ヘリで救助された。意識ははっきりしているという。

 一方、同郡白馬村の白馬大雪渓で2人が死亡した雪崩事故で大町署は1日、他の遭難者を確認するための捜索を悪天候のため見送った。現場では30日の捜索中にも複数の雪崩が起き、降雨もあって危険な状態が続いている。


 ◆県内各地で遭難相次ぐ(2011/5/1信毎)

 大型連休2日目の30日、県内各地で滑落などによる山岳遭難が相次いだ。

 午後4時すぎ、北アルプス蝶ケ岳(標高2677b)の山頂付近の稜線で、福岡市の男性(43)が意識不明となり、山小屋に収容された。蝶ケ岳では午前8時すぎにも、埼玉県鴻巣市の会社員男性(55)が滑落して左足にけがをした。

 八ヶ岳連峰の赤岳では午前8時すぎ、標高約2600b付近の地蔵尾根を下山していた三重県伊勢市の公務員男性(57)と無職女性(58)が足を滑らせて約100b滑落し、2人とも骨折などのけが。同じ尾根で午後3時ごろ、埼玉県越谷市の会員男性(48)も滑落し、左足首を骨折した。

 八ヶ岳連峰横岳、中央アルプス空木岳、北ア東天井岳と横通岳間、北ア横尾尾根、栂池高原でも救助要請を伴う遭難があった。


 ◆御岳山で岐阜の男性遭難か(2011/4/18信毎)

17日午後3時半ごろ、木曽郡王滝村の御岳山(3067b)で岐阜県羽島市の会社員男性(35)が遭難したと、男性の妻から岐阜県警を通じて木曽署に連絡があった。長野県警ヘリが出動したが見つからず、6時前に捜索を打ち切った。同署によると、男性は午前4時ごろ、自宅を出て同村側から入山。スノーボードで滑り降りていて道に迷い、妻に携帯電話で連絡してきたという。その後、連絡が途絶えた。18日早朝からあらためて捜索する。


 ◆中ア宝剣岳で男性死亡(2011/4/14信毎)

 13日午後1時半ごろ、中央アルプス宝剣岳(2931b)から木曽側に約千b下った宝剣沢で、宇都宮市の会社員寺嶋重美さん(50)が倒れているのが見つかり、県警ヘリコプターで収容したが、同日午後4時に死亡が確認された。駒ヶ根署によると、死因は多発外傷で、滑落したとみられる。12日午前に一人で入山し、帰宅予定の同日夜になっても戻らず、家族が13日午前、同署に届け出た。


 ◆北ア雪崩残る2人も遺体発見(2011/3/14信毎)

 北安曇郡白馬村の北アルプス小日向山(1907b)に山スキーやスノボートで入山した男性3人が雪崩に遭ったとみられる事故で、大町署などは13日午後2時半すぎ、小日向山北斜面の沢筋で同村北城、山岳ガイド市川昌さん(42)と松本市島立、県職員林哲央さん(39)の遺体を発見、収容した。

 同署によると、2人の遺体は12日に遺体で見つかった同村北城、山岳ガイド石川哲也さん(31)の発見場所から下方に約150b離れていた。2人とも雪の下30a〜1bに埋まっていた。同署は、3人は滑降中に雪崩に巻き込まれたとみている。

 3人は山スキーやスノーボート仲間で、11日朝に小日向山にむけて入山。3人が滑降していたとみられる時間帯は、東北・関東地方で起きた大地震と重なっていた。県警ヘリコプターから遺体を降ろす大町署員ら=13日午後4時、北安曇郡白馬村


 ◆北ア小日向山白馬のガイド死亡(2011/3/11信毎)

  地震で雪崩? 同行の2人不明 北安曇郡白馬村の北アルプス小日向山(1907b)から男性3人が帰ってこないと11日夜、大町署に連絡があった。署員らが12日朝から捜索。午後2時10分、小日向山北斜面の沢筋で同村北城、山岳ガイド石川哲也さん(31)の遺体を発見し、収容した。一緒にいたとみられる同、市川昌(まさし)さん(42)、松本市島立、県職員林哲央さん(39)は見つからず、13日朝から捜索する。

 救助活動に当たった関係者や同署によると、石川さんは雪崩の跡がある雪の中に埋まっていた。周りの沢筋にも雪崩跡があり、上方に響庇(尾根から張り出した雪のかたまり)の崩れが確認されたという。

 3人は山スキー仲間で、11日朝に入山。短文投稿サイト「ツイッター」には、滑降中の市川さんとみられる投稿があるが、同署によると、11日午後1時半以降は途絶えたという。同署は東北・関東地方で起きた大地震が雪崩を誘発した可能性もあるとみている。大地震発生時、大町市で震度3を観測している。


 ◆山岳警備隊の2人救出(2011/3/02信毎)

北アルプス・剣岳で雪崩に巻きこまれた富山県山岳警備隊員3人のうち飛騨昌夫警部補(40)、木村哲也巡査(33)の2人が1日、ヘリコプターで救出された。2人はけがをしているが、命に別条はないという。丸山政寿巡査部長(45)は心肺停止状態で、山中に取り残されているが、県警は悪天候のためこの日の救助を断念。2日にヘリで救助に向かう。

 剣岳の標高2750b付近の「池ノ谷ガリー」と呼ばれる谷で2月28日午後、隊員6人が救助訓練中、前方の3人が雪崩に遭った。丸山巡査部長は雪の中から救出された時は既に心髄停止状態で、意識不明だった木村巡査を標高約1900bの地点まで運び野営、5人で救助を待っていた。


 ◆西穂高岳で男性の遺体発見(2011/2/15信毎)

 北アルプス西穂高岳独標付近で12日に男性が滑落し行方不明となっていた遭難で、県防災ヘリで捜索していた県警山岳救助隊は14日午前7時55分、独標付近から約100b下の斜面で遺体で発見、収容した。松本署によると、男性は千葉県浦安市、医師山田至康さん(61)と確認、死因は脳挫傷だった。


 ◆北ア西穂高岳で男性遭難か(2011/2/14信毎)

 12日午前9時半ごろ、北アルプス西穂高岳独標付近で男性が滑落したと、西穂山荘の従業員から松本署に通報があった。県警山岳遭難救助隊などが西穂山荘に向かったが、日没と悪天候のため捜索を打ち切り、13日早朝から再開する。松本署によると、男性は関東地方在住の60代。同日朝、4人パーティーで西穂山荘を出発、独標から下山中だったという。


 ◆栂池高原で山スキーの男性帰らず(2011/1/31信毎)

 北安曇郡小谷村の栂池高原に、29日に単独で山スキーに入ったとみられる名古屋市守山区の会社員宗近栄治さん(38)が下山予定を過ぎても現れないと、宿泊予定だった村内の旅館が同日夜に大町署に通報した。30日に北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会と同署が一帯を捜索したが見つからず、31日も捜索する。同署によると、栂池高原スキー場の駐車場に宗近さんが乗ってきたとみられる車が止めてあった。


 ◆八ヶ岳連峰で遭難相次ぐ(2011/1/3信毎)

1日午後3時ごろ、八ヶ岳連峰・阿弥陀岳に向かう登山道の鎖場で那覇市の会社員男性(29)が足を滑らせ、2日午前1時前になって別のパーティーの携帯電話で110番通報した。男性は約7時間半後に県警ヘリコブターで救助され、茅野市内の病院に運ばれたが、左足首捻挫の軽いけが。一方、2日正午前には浜松市の会社員男性(52)から、八ヶ岳連峰・西天狗岳を下山中、道に迷い深雪で動けなくなったと携帯電話で110番通報があり、約2時間後に県警ヘリが救助した。けがはなかった。