日本人初「黄金のピッケル」

登山界のアカデミー賞

富士見出身の平出さんら

信濃毎日新聞 掲載

平成21年04月27日(月)


 【シャモニー(フランス)26日時事】世界の優れた登山家に欧州の山岳誌などが贈る「ヒオレドール黄金のピッケル)賞」に二十五日、和歌山市出身の女性登山家谷口けいさん(36)、諏訪郡富士見町出身の平出和也さん(29)ら日本の二子ーム五人を含む計三チ−ムが選ばれた。「登山界のアカデミー賞」とも呼ばれ、日本人の受賞は初めて。女性の受賞も初。

 ピオレドール賞は一九九一年創設で今回が十七回目。昨年の新ルート登山の中から、高度な技術や開拓精神などを基準に優秀チームを決めた。

 谷口さんと平出さんはインド北部カメット峰(七、七五六b)南東壁の初登攀に成功した。ほかの日本人は、インド北部カランカ峰(六、九三一b)北壁を初登攀した佐藤裕介さん(29)=甲府市出身、天野和明さん(32)=山梨県甲州市出身、一村文隆さん(31)高松市出身。このほかスイス人二人のチームが受賞した。

 「パートナーと励まし合ってやったことが評価され、うれしい。次の登山も計画している」と谷口さん。平出さんは「カメットは余裕ができて楽しかった。ただ、これまでの経験があったからこその余裕だ」と話していた。

写真:ピオレドール賞を受賞し喜ぶ(左から)平出さん、谷口さん、佐藤さん、天野さん=25日、フランス東部シャモニー(時事)