県内山小屋 客足昨夏の半分

従業員の方が多い日も

信濃毎日新聞 掲載

平成21年08月03日(月)


 天候不順が続き、県内の山岳で登山者の出足が鈍い。長雨で利用者が昨年同時期の半分以下という山小屋も。半面、遭難発生件数は昨年を大きく下回っている。一方、新潟県上越地方はまだ梅雨が明けておらず、「信州の海」とも言われる海水浴場の入り込みが伸びない。夏の日差しはいつになったら注ぐのか。山で、海で、関係者は空を見上げている。

 「山小屋によっては、スタッフの方が宿泊者より多い日もあった」。こう話すのは、北アルプス北部の白馬山荘など7軒の山小屋を営業する白馬館(北安曇郡白馬村)の担当者。これまでのところ、入り込みは昨夏の45〜50%ぐらいではないかとみる。

 白馬村観光農政課によると、昨年7月には、前年同月比で3千人以上多い1万400人の登山者が同村を訪れた。村観光局には例年ならこの時期、宿や装備など山に関する問い合わせが多いが、「今年は少ない」という。

 北ア南部の個沢小屋も登山客のキャンセルが多いという。中央アルプス観光(駒ヶ根市)が運行する駒ヶ岳ロープウエイの利用者は前年比約2割減。南ア北沢峠近くの北沢駒仙小屋(山梨県南アルプス市)も利用者は少なく、従業員は「この夏は雨が降らない日の方が珍しい」と話す。

 県警地域課によると、7月1〜30日に県内で発生した山岳遭難は20件(死亡1人)で昨年7月の40件(同7人)から半減。同課は「天候に加え、10人が死亡した北海道・大雪山系での遭難などで、登山者が慎重になっていることも考えられる」としている。

 長野地方気象台の1カ月予報では、8月の県内は平年に比べ晴れの日が少なく、日照時間は平年並みか短い見通しという。

写真:早朝の潤沢で稜線(りょうせん)を覆 う雲を見上げる登山者ら=7月31日