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東大涸沢診療所登山者見守り50年目 | |||||||
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北アルプスの涸沢(松本市安曇)にある東大涸沢診療所が今夏、1960(昭和35)年の開設から50年目のシーズンを迎えた。東大医学部「鉄門山岳部」の学生やOBの医師が手弁当で運営を支え、夏山登山者の健康を見守っている。
同診療所は、北穂高岳・滝谷で59年に起きた東大スキー山岳部員らの遭難事故を契機として翌年開設された。涸沢ヒュッテに隣接しており、木造平屋40平方bほど。医師と山岳部の学生ら計20〜30人が当番制で7月下旬〜8月下旬に常駐する。毎年100人前後の患者が訪れる。症状はねんざや風邪、脱水症状などが多いという。
山岳部OBの医師、稲葉俊郎さん(30)=東京都=は4年前、山小屋でアイスクリームを食べた後に腹痛を訴えた児童を診察した。当初はおなかが冷えたためと考えたが、激しく痛がることから虫垂炎の恐れもあると判断。ヘリコブターで病院へ急行することを勧めたが、家族は診断をいぶかったという。県警ヘリで松本市内の病院に搬送すると、腹膜炎の併発も分かり、.すぐに緊急事術となった。稲葉さんは「我慢して自力で下山を始めていたら危なかった」と振り返る。
同じく山岳部OBの医師、高橋秀徳さん(32)=同=は大学1年の時から15年続けて涸沢に通っている。今年は18日に勤務を終えた後、夜行列車に飛び乗った。「ここがぼくの(医師としての)原点と話す。近年、日程の余裕がなかったり、水の補給を我慢して脱水症状になったりする登山者も多いと感じているといい、体調管理の大切さを訴える。
医師を支えるのは山岳部の学生たち。マネジャーを務める医学部5年の只左一也さん(29)=同=は「救急外科志望なので学ぶことが多い。この診療所は(医師の姿勢を学ぶ)よりどころです」。
今年は、梅雨明け後も雨がちで天候が安定せず、今月中旬にはおなかをこわして診察を受けた人もいた。
診療所の半世紀の歴史を引き継ぐ高橋さんは、ひざが弱って登山が難しくなるまで涸沢に通い続けるつもりだ。
写真=東大さ固沢診療所で処方薬などをチェックする稲葉さん(左)と高橋さん(中央)
写真=東大滴沢診療所がある享固沢ヒュッテから朝日を浴びるりょう線を望む