山岳会復活めざす

信大 部員減悩み-今春は新人4人

活動盛り上げへ0・Bも支援

信濃毎日新聞 掲載

平成21年05月19日(火)


 部員の減少で活動に支障を来していた信大山岳会に今春、新人四人が加わった。伝統ある山岳部の活動を再び盛り上げようと、山岳ガイドなどとして活躍するOBも支援に乗り出している。松本市安曇の島々谷から上高地に入山する伝統の新人合宿も復活し、現役部員とOBが一体になって歩み始めた。

 十七日早朝、徳本峠を経て上高地へ向かう林道を新人四人らが歩き始めた。四人が入部するまで唯一の部員だった二年の江川信さん(22)が先頭を歩き、山岳写真家の大木信介さん(30)=東京都=らOB三人が付き添った。

 新人で登山経験はほとんどない土田孝治さん(19)=繊維学部一年=は「松本から見るアルプスにあこがれた」。高校時代に山登りの経験がある小平貴則さん(18)=農学部一年=は「岩壁や冬山をやりたい」と意欲的。このほか小島弾人さん(18)=理学部一年=と、槙拓登さん(20)=理学部三年=が入部した。

 この数年、入部者がなかったり、一人か二人が入部しても辞めてしまう年もあった。このため、北アルプスの横尾をベースとして、涸沢で雪上訓練して、槍ヶ岳などを目指す新人合宿は短縮傾向だった。江川さんが入部した昨年は先輩が一人だけで、剣岳周辺の岩場を一週間近く登る夏合宿もなかった。

 経験不足で遭難してからでは遅いーと、OBらでつくる信大学士山岳会も危機感を抱き、昨年一月の総会で現役の支援を決めた。

 ヒマラヤのローツェ(八、五一六b)南壁冬季初完登を成し遂げた田辺治さん(48)ら、国内外で活躍するOBたちが江川さんの指導に当たっている。熱意に応えるように江川さんも、雪山一年目ながら鹿島槍ヶ岳東尾根といった雪稜にも挑んだ。

 だが、「まだ自分だけでは何もできない」と江川さん。大木さんば「かつての新人育成のシステムが完全に崩壊している。来年、現役が自立するまで支えたい」と話す。

今秋、学士山岳会が計画するヒマラヤ遠征にも参加する江川さんは「連れて行ってもらった冬山に、現役だけで行けるようになりたい」と、新人四人との飛躍を思い描いている。

写真:新人4人を率いる2年生の江川さん(左)と、OBの大木さん(右)=松本市安曇の島々谷林道