信大ОBらヒマラヤへ

創立60周年記念し来秋計画

「若い世代へのエールに」

信濃毎日新聞 掲載

平成20年12月25日(木)


 信大山岳会のOBらでつくる信大学士山岳会(宮崎敏孝会長)は来年秋、信大創立六十周年に合わせネパール・ヒマラヤヘの海外登山を計画している。約三十人が四パーティーに分かれ、中国・チベット自治区との国境に近い七千b峰の登頂や五千bの峠を越えるトレッキングなどに挑む。信大山岳会からも参加するが、若者の山離れが進み、現役部員は本年度末には一人になる危機的な状況。OBらは「若い世代が再びあこがれを抱いて、信大や山岳会を目指すきっかけにしたい」と意気込んでいる。

 学士山岳会は過去にもヒマラヤヘの登山隊を派遣しており、二〇〇〇年のガネッシュ・ヒマール2峰(七、一一一b)以来九年ぶりの海外登山となる。メーンは、一九九四年と九六年にそれぞれ学士山岳会が初登頂したギャジカン(七、〇三八b)とラトナチユリ(七、〇三五b)がある中国国境に近い「ペリヒマール山域」への登山だ。

 来年九月上旬−十一月中旬、同山域のヒムルンヒマール(七、一二六b)に西稜下部の未踏ルートからの登頂に挑み、近くのヒムジュン(七、〇九二b)からヒムルンヒマールヘの縦走も計画する。エベレスト、K2をはじめ多くの八千b峰に登頂経験のある山岳ガイド田辺治さん(47)=八四年農学部卒、名古屋市=が隊長を務め、本年度末には信大山岳会現役部員としてただ一人になる見通しの理学部生物科学科一年の江川信さん(21)を含む二十-四十代の男性六人が参加する。

 和歌山市出身の江川さんは同会に入って本格的な登山を始めた。OBが真剣に山に向き合う姿勢にひかれているといい、「ヒマラヤ登山は大きな体験になる。来年以降も部員を確保して山岳会を引き継いでいきたい」と話す。

 ほかに、六十代の隊員らがペリヒマール山域のピサンピーク(六、〇九一b)を目指す登山やOBの追悼トレッキングなど三つの山行を企画した。

 信大農学部森林科学科の教育特任教授でもある学士山岳会の宮崎会長(66=塩尻市=は「登山は未知や困難への挑戦であり、それに打ち込む山岳会は信大の大きな特色。今回の登山を会存続に向けたエールにしたい」と話している。



信大山岳会:1949(昭和24)年の信大創立以降、山岳会は文理、医学部の「松本」、教育、工学部の「長野」、繊維学部の「上田」、農学部の「伊那」とキャンパスごとに発足。62年の伊那、松本の合併を経て78年に全学で一本化された。山岳会OBでつくる学士山岳会の宮崎敏孝会長によると、会長が入学した62年ころが最も部員数が多く、全学で約100人いた。学士山岳会は60年代後半から数年ごとにヒマラヤヘ登山隊を派遣し、ギャジカン、ラトナチュリを含む6000−7000b峰4座に初登頂した。