仙丈ケ岳に防護柵

高山帯県内初

信濃毎日新聞 掲載

平成20年04月24日(木)


 中部森林管理局は二十三日、シカによる高山植物の食害対策として、南アルブス仙丈ケ岳(標高三、〇三三b)の中腹にある保護林内のお花畑約〇・八fに防護柵を設ける-と発表した。高山帯での防護柵設置は全国では例があるが、県内は初めてという。

 防護柵を設けるお花畑は、仙丈ケ点から北に延びる「馬ノ背」近くで、標高約二千六百bの一帯にある。環境省や地元の伊那市と協力。高山帯の積雪や風の強さを考慮して柵の高さや長さといった形状を決め、今秋までの設置を目指す。

 同局が昨年度までの二年間で行った南ア一帯の植生調査によると、馬ノ背のお花畑は、シカによる食害や踏み荒らしで、ハクサンフウロやシナノキンバイなどの群落がほぼ壊滅状態。ダケカンバやハイマツといった周辺の樹木も表皮に食害が確認されている。一帯では十頭以上の群れが確認されている。夏の間に沢筋や登山道を移動、花畑を餌場にしているとみられる。

 同局は防護柵で食害の拡大を防ぐことで、棄や根がわずかに残る高山植物の復活を期待。「うまく保護できれば、五、六年である程度の再生が期待できる」(指導普及課)とみている。

写真:シカの食害で高山植物が激減した南ア仙丈ケ岳のお花畑。防護柵を設けて「復活」を目指す=2006年9月