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南ア単独縦走信大生が成功 | |||||||
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信大山岳部の正木喜啓さん(22=松本市、理学部四年=が、二月中旬から約一カ月かけて南アルブスを単独で縦走した。南アは、長野、山梨、静岡の県境に二千五百−三千b級の山が連なり、冬季の単独登山は危険と隣り合わせ。過酷な経験を振り返り、正木さんは「毎日毎日歩くことが想像以上につらかった。体力より、負けずに歩く精神力が問われた」と話している。
二月十六日、十九日分の食料や燃料、テントなど約四十`の荷物を背負って山梨県早川町から入山。ザルケ岳から農鳥岳、間ノ岳を経由し、十三日目に北岳(三、一九三b)に登頂した。その後、塩見岳、荒川岳、赤石岳、聖岳、光岳と尾根伝いに歩き、静岡県側に三月十八日に下山した=図。
後半分の食料は、事前に途中の山小屋に荷上げしておいた。一日に平均八時間歩き、直線距離で約七十`を踏破。晴れた日が多かったが、強風で身動きが取れない日もあり、農鳥岳でテントが破損するトラブルにも見舞われた。
荒川岳では「生命の危険を感じた」という。泊まる予定の避難小屋にたどり着く前に日が暮れた。尾根の岩場にはテントを張ることも、雪洞を掘ることもできない。テントと寝袋にくるまって一夜を過ごし、「不安と窮屈な体勢で午前一時から一時間ごとに時計を見て眠れなかった」。天候が良かったのが幸いした。
山岳部のOB会員約十人が十年ほど前に冬の南アを縦走したと伝え聞き、「自分たちもやってみたい」と挑戦を決めた。しかし、準備をしていた昨年夏、四人いた部員が次々に辞め、正木さん一人だけに。一時は「単独では厳しいかも」と思ったが、あきらめず、二泊三日で冬山に登るなどして備えた。
縦走直後はそれほど達成感はなかったが、OBに評価されて、実感がわいたという。
「今回は歩きが主体で、技術的なレベルは高くない。今後ほ岩登りのような技術的なことを身に付けたい」。山岳部員を増やし、次は仲間と冬の北アルプスを縦走するのが目標だ。
過酷な冬山精神力で
写真:冬季の南アルプスを単独縦走した正木さん。このピッケルとかんじきを使って歩き抜いた