山岳ガイド客数に基準

日本協会松本の会議で発表

厳格な運用を求める

信濃毎日新聞 掲載

平成19年11月14日(水)


 国内の山岳ガイドを認定している日本山岳ガイド協会(東京)は十三日、松本市で開いた全国代表者会議で、安全登山のためガイド一人に客を何人までつけられるかを示す基準「ガイドレシオ」を発表した。登山形態や難易度、地名などを挙げて細かく明示し、認定ガイドらに厳格な運用を求めた。基準を守らず大きな遭難を引き起こした場合は、協会としての処分も検討する方針だ。

 ツアー登山などが中高年らに人気を集める一方で遭難も起きており、引率側の安全管理の基準づくりが求められていた。協会の認定ガイドは全国に約八百人。会議の出席者からは、歓迎の半面、「忠実に運用すれば旅行社からの仕事がなくなりかねない」と不安視する声もあった。

 基準は▽ガイド一人が引率できるのは、雪のない時期の里山や高原の自然観察路、ハイキング道で最大十五人▽一部に危険個所がある登山道は同十人▽岩場や鎖場が多く転・滑落の危険性が高い登山道は同五人−など。県内を含む主要な山域の難易度も示し、北アルプス後立山連峰の不帰(かえらず)キレットの通過、戸隠山、八ヶ岳の権現岳−赤岳−横岳間の縦走は「難易度の高い登山道」と位置付け、最大五人とした。

 協会は、基準の厳格な運用とともに、一人でも基準を超える際は訓練を受けたガイド助手を付けることを提案。確保できない場合は、ガイド依頼の拒否を含め毅然(きぜん)とした態度で交渉すべき−と求めた。

 出席者からの「コスト重視の旅行社は私たちを避けるようになるかもしれない」との発言に対し、協会理事は「安全管理を重視する姿勢を明確にし、社会全般に受け入れられることが大切だ」と呼び掛けた。

 また、同市で開催中の国際山岳ガイド連盟総会は本会議があり、今年七月に遭難死したクロード・レイ前会長(フランス)の後任にプルノー・ペリシエさん(同)を選んだ。十四日に上高地を視察して閉幕する。

写真:山岳ガイドが安全に登山者を導くための引率 人数の基準が示された代表者会議=松本市