中ア・駒ケ岳古道復活へ

権兵衛峠から伊那・塩尻境の稜線経て

信濃毎日新聞 掲載

平成19年08月31日(金)


 塩尻市木曽平沢の無職巣山良久さん(76)らが、権兵衛峠から中央アルプス駒ケ岳(2、956b)を目指す古道の復活に取り組んでいる。9月2日に最後の作業を計画。巣山さんは「開通させて、一人前の道にしていきたい」と話している。

 古道は、権兵衛峠から南に徒歩で三、四十分ほど登った地点にあるカラマツの権兵衛峠から中ア・駒ケ岳に向かう古道の復活に向けて作業する住民有志巨木「ジャンボカラマツ」から、伊那-塩尻市境の稜線(りょうせん)を経て、伊那市の小黒川上流から駒ヶ岳に向かう登山道にある「馬返し」と呼ばれる地点までを結ぶ。図面上の水平距離ば約五千百bある。

 巣山さんとともに、復活に取り組んでいる中部森林管理局木曽森林管理署奈良井森林事務所の田中拓馬森林官(28)によると、古道がいつ、どのようにできたかは定かではない。ただ、かつて森林火災が広がるのを食い止めるため、尾根伝いに植物が成長しないよう土を踏み固めた「溝」が作られたと伝承があり、その周辺を登山者らが歩いていたと推測されるという。整備作業の際に溝の跡が見られたという。

 旧楢川村方面から駒ヶ岳への登山は、奈良井川沿いの林道終点まで車で行き、駒ヶ岳に続く稜線に抜ける方法が一般的。「楢川からも、歩いて登山が楽しめるようにしたい」と考えた巣山さんが二〇〇二年夏、「一度歩いてみよう」と旧楢川村職員や森林事務所職員OBらに呼び掛けて古道とされるルートを歩いたのが、取り組みのきっかけだった。

 具体的な作業を始めたのは昨年秋から。これまで数回、地元の住民がエンジン付き草刈り機などで整備してきた。七月一日には田中森林官と地元有志二十四人が一斉作業をし、未整備なのは残り約五百bになった。

 田中森林官は「地元の人々が懸命に作業してここまでこぎ看けた」。旧楢川村の村議だった巣山さんは「復活は長年の願い。最後の作業を頑張りたい」と話している。