沢渡のバス停変更・横断危険

上高地への拠点安全対策が必要

信濃毎日新聞 掲載

平成19年08月26日(日)


 北アルプス上高地に向かうシャトルバスの発着点となる松本市安曇の沢渡で、バスから降りて駐車場に向かう観光客らが国道158号を横断しなければならないことから、事故を心配する声が上がっている。バスを運行する松本電鉄(松本市)が今春、バス停の位置を変更したことが一因。同社も県や市に歩道整備などを求めているが、抜本対策はまだ見えていない。

 上高地に向かう観光客の多くは、マイカー規制のため沢渡にあるバス停「沢渡犬橋」でマイカーからシャトルバスに乗り換える。このバス停は昨シーズンまで、上高地行き(上り線)、沢渡行き(下り線)ともに上り線側のドライブインの敷地にあった。ところが、松電は今年四月、下り線のバス停を下り線側の国道脇に移した。

 バス停付近にある主な駐車場は七カ所(収容計約六百五十百台)。このうち五カ所(同四百五十台)は上り線側にある。このため上高地からバスで戻った客の多くが、国道を横断して駐車場に向かうようになった。

 バス停付近は見通しの悪いカーブに当たり、横断者に急ブレーキをかける通行車両もある。年二回は上高地を訪れるという愛知県豊田市の会社員男性(46)は「車が急に近づく感じで怖かった」と話した。

 国道の両側で駐車場を経営している樋口邦彦さん(71)も「いつ事故が起きるかと思って冷や冷やしている」と話す。

 松電によると、以前の下りバス停は乗客の降車位置が国道に面していて危険な上、バスが国道を横断してバス停に入るため渋滞を起こしていた。北陸信越運輸局(新潟市)が認可していたバス停の位置は現在の場所という。松電の小林忠由自動車部長は「正規ルートを逸脱した点を正し、安全も確保する必要がある」としている。

 ただ、「どこに(バス停を)置いても、横断する人の安全確保には課題が残る。一事業者だけで解決できる聞題ではない」(小林部長)とする。

 同社はバス利用者の安全を確保するために、歩道の整傭などを県松本建設事務所に要請している。同事務所もバス停一帯の危険性については認識しており、「これから安全対策を検討しないといけない」(維持管理課)としている。

写真:シャトルパスで上高地から戻り、国道158号を横断してマイカーのある駐車場へ向かう人たち=14日・松本市安曇の沢渡地区

・沢渡大橋付近のバス停と主な駐車場