中アツアー客不明訴訟

長電バスと和解成立

家族代理人「苦渋の決断」

信濃毎日新聞 掲載

平成19年02月10日(土)


  二〇〇三年七月に中央アルプス駒ケ岳(二、九五六b)に日帰り登山ツアーに出掛け、行方不明になった長野市の無職男性11当時(67)=の家族三人が、ツアーを主催した長電バス(長野市)と、ガイドだった同社従業員に総額約五千二百万円の損害賠償を求めた訴訟は九日までに、長野地裁(辻次郎裁判官)で長電バス側が一千万円を支払うことなどで和解した。

 和解条項は五項目。長電バス側は家族が〇五年三月末に長野家裁で遭難死を原因とした失践(しっそう)宣告を受けたことを認める、失践宣告を前提に長電バス側が家族に和解金一千万円を支払う-など。

 訴訟は、ロープウエーを下車した後、千畳敷から山頂を目指した男性が行方不明になったのが遭難なのか、会社側に責任があったかが争点となった。家族は「雨で霧深く、ガイドが参加者を山頂まで案内しなかった。ガイドがツアーを中止しなかったため遭難死した」と主張。一方、長電バス側は「添乗員はいたがガイドではない」と反論、遺体が見つかっておらず遭難死についても争っていた。

 家族の代理人は和解について「『自已責任』とした長電バス側の主張に対し、ずさんな計画と『遭難死』との因果関係の立証が難しく苦渋の決断だった」とした。一方、長電バスの代理人は「過失を認めた訳ではない」と話し、同社は「特にコメントはない」としている。