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八ケ岳登山道管理責任誰に | |||||||
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茅野市が昨年秋に八ケ岳で実施した登山道整備で、地権者の南信森林管理署(伊那市)と用地の借用契約を結んだことを受けて、誰が登山道の管理責任を負うかが議論となっている。茅野市は登山道の整備を毎年行っているものの、「登山道での事故の責任まで問われることになっては」(商業観光課)と困惑。同市から整備を受託している山小屋の関係者からも、管理責任を負ってまで整備はできないとの声が上がっている。
茅野市商業観光課によると、八ケ岳の登山道整備はこれまで、山小屋関係者でつくる八ケ岳観光協会から要望を聞いた上で、整備個所を同管理署に報告。同市は年間二百万円の予算で同協会を通じて山小屋に整備を委託し、整備費用が足りない場合は山小屋が負担してきた。
同管理署は、茅野市による昨年秋の整備について、用地の借用契約を文書で交わすよう同市に要請。同市は九月二十日-十月三十一日までの整備期間について契約を結んだ。
こうした契約は同市にとって初めて。同市商業観光課は「あくまで観光のために整備が必要なので契約を結んだ」と説明。「すべての整備責任を負っているわけではないし、登山道の管理者ではない」と強調する。
誰が登山道の管理者かについて、同管理署も「国が造ったわけではなく、地主だからといって管理はできない。登山道は管理外」との立場だ。
中部森林管理局(長野市)などによると、南北アルプスや中央アルプスの国有林では、登山道の整備を担っている地元の松本市や北安曇郡白馬村、飯田市、駒ケ根市などとの間で、登山道用地を無償で貸す契約を結んでいる。登山道の整備主体を明確にするのが目的で、契約は五年ごとに更新している。八ケ岳ではこれまで、佐久側を含めてこうした契約は結ばれていなかった。
ただ、既に森林管理署と契約を結んでいる自治体も、登山道の整備と管理は区別しており、「登山は自己責任が原則。管理責任までは負えない」(駒ケ根市)との声が強い。
登山道の管理が議論になる背景の一つには、東京地裁で昨年四月に言い渡された判決がある。青森など三県にまたがる十和田八幡平国立公園の奥入瀬渓流(青森県)で、落木に当たり、下半身まひになった女性らが損害賠償を求めた訴訟で、国と県が管理責任を問われ、計約一億四千八百万円の支払いを命じられた(控訴審で係争中)。
南信森林管理署は「登山道の受益者は茅野市と山小屋関係者」として、登山道の管理は地元で行うよう今後話し合いを進めたいとする。一方で、山小屋関係者は「費用も負担して登山道の整備に取り組んでいる上に、管理責任まで問われるのなら整備はしなくなる」と訴えている。
写真:管理の在り方が課題となっている八ケ岳の登山道=06年9月・硫黄岳山頂付近