ヒマラヤ未踏峰ナンパイゴスム

佐久の神津さん初登頂

定年前の挑戦「絶景深い感慨」

信濃毎日新聞 掲載

平成18年11月17日(金)


 日本勤労者山岳連盟(東京都)の長野県理事で、佐久市長土呂の会社員神津一男さん(59)が十月二十六日、ネパール一ヒマラヤのナンパイゴスム南峰(七、三二一b)に初登頂した。神津さんは、同連盟とネパール政府の合同登山隊に参加、「絶景のうえ、未踏峰で感慨深かった」と話している。

 ナンパイゴスムは、チョーオユー(八、二〇一b)とエベレスト(八、八五〇b)の間にある、ヒマラヤでも数少ない七千b級の未踏峰。日本とネパールの国交五十周年事業として同連盟が計画した。

 登山隊は、九月二十日にネパール入り。高山病対策でトレッキングをしながら進み、10月3日に約五千二百五十b地点にべースキャンプを張った。同連盟海外委員で隊長の近藤和美さん(64)=東京都杉並区=や、ネパール人隊員五人とともに、26日に頂上に立った。神津さんは「ルート作りでは、同行したネパール隊員の優秀さに助けられた」と振り返った。

 神津さんは高校卒業後に登山を始め、登山歴四十年。一九七七年にインド北部のナンダデビ(七、八一六b)に挑戦したが約六千九百b地点で断念。「いつか七千bを越えたい」と思い続けていた。来年が定年で、それを前にまとまった休暇が取れたため、今回の登山隊に応募した。

 定年後も「今回のように、おもしろそうな登山計画があれば、挑戦したい」と話している。

写真:ナンパイゴスムの頂上付近でネパール人隊員らと記念撮影する神津一男さん(左端)・ヒマラヤのナンパイゴスム(奥が北峰、手前が南峰)