浅間山麓国際自然学校(地域からの発信)

豊かな自然地道に守る

外来植物対策に力

信濃毎日新聞 掲載

平成18年10月1日(日)


 浅間山の西側、黒斑山(二、四〇四b)に向かう尾根を約三十人のグループがゆっくり進んでいく。浅間山麓(ろく)国際自然学校(市村憲一代表理事)と環境省鹿沢インフオメーションセンター(群馬県嬬恋村)が九月二十三日に共催した、ごみを拾いながら登るクリーントレッキングだ。

 同学校はNP0となった昨年から、自然学習や県天然記念物ミヤマモンキチョウの生息調査などに如え、外来植物対策に力を入れている。高峰高原では成長力が強く黄色い花が咲くハルザキヤマガラシが広がり、スキー場のゲレンデにはフランスギクが目立つ。

 「ヤマガラシとフランスギクは、油断すると生息域がどんどん広がる。在来種の花が目立たなくなった場所もある」。そう警戒する同校事務局は今年三回、小諸市から同高原に至るチェリーパークライン沿いで抜き取りをした。代わって一部には“在来種のニッコウキスゲの菌を樽えた。

 困るのは、日当たりが良いと再ぴ成長の早い外来種が伸ぴてくることだ。秋が深まる九月下旬でもフランスギクの白い花を見ることがある。市村さん(59)は「自然相手だけに取り組みは長年かかる。地道に続けていきたい」と決意を語る。

 浅間山周辺は上信越国立公園に含まれる。このうち、環境省万座自然保護官事務所(群馬県嬬恋村)で担当する自然保護官は一人だけ。おのずから管理に必要な作業の多くは、地元の観光関係者や有志の協力が求められる。だが自然公園法で規制され、植物などに勝手に手を入れることはできない。

 このため同校は、一定地域内の管理を任される国立公園管理団体の指定を目指している。指定を受け、土地所有者らと協定を結べば、高山チョウや外来植物でも、的確な対策を素早く取ることが可能になる。

 同学校はもともと、浅間山周辺の自然環境を生かして誘客を図ろうと、高峰高原の観光業者らが中心となって設立した。環境保全の取り組みのほか、トレッキングや星空観察、農作業体験などのプログラムを準備し、参加者は昨年から倍増。冬季を含め、年間三千人を見込む。

 市村さんは「浅間山周辺は多くの人に親んでもらえる。それだけに、豊かな環境を楽しむだけでなく、保っていく取り組みを大事にしたい」と意気込んでいる。

写真:浅間山麓国際自然学校が環境省とともに開いたクリーントレツキング。足元の植物やごみに注意しながら黒斑山に登った=9月23日


浅間山麓国際自然学校

電話0267・23・3124
〒384-0000小諸市高峰高原アサマ2000パークスキー場内

個人会員は年会費3000円。法人会員は一口5万円。登山や高山植物など自然とかかわるガイドの養成もしている。