乗鞍岳登山事故「責任明確に」

生徒・両親調停申し立て

松本市相手原因調査と慰謝料求め

信濃毎日新聞 掲載

平成18年6月30日(金)


 北アルプス乗鞍岳で昨年十月六日、学校登山中に落石に遭い、頭を打つ大けがをした松本市清水中学校の男子生徒(14)と両親が、市を相手に、原因調査と慰謝料の支払いを求め民事調停を松本簡裁に申し立てたことが二十九日、分かった。父親の小岩井俊彦さん(48)=松本市蟻ケ崎三=は「今後の教訓にするためにも原因を詳しく調査するよう求めてきたが、応じてもらえなかった。責任を明確にしてぼしい」と訴えている。

 事故は午後零時半ごろ、長野.岐阜県境の乗鞍岳・剣ケ峰(3,026b)の山頂付近で発生。直径一・五bほどの岩が中学生の列に落ちてきた。この男子生徒のほか、女子生徒が右太ももの骨を折るなどの大けが、ほかの生徒男女各一人が軽いけがをした。登山には二年生約百四十人、教職員十人が参加した。

 父親によると、男子生徒は岩場に後頭部などを打って救急車で運ばれ、頭蓋(ずがい)内出血で九日間入院。現在、生活にほとんど支障はないが、視覚障害が出ないかどうかなど、様子をみているという。

 申立書では、学校側は事故当時、男子生徒が頭を打ったと知りながら安静にさせず、歩いて下山させた-1とし、「死にもつながる危険があった」と主張。生徒が感じた恐怖心に対する相当額の慰謝料を求めている。

 また、学校と市が落石は自然発生だったと説明しているのに対し、「根拠となる調査をしていない」とし、松本署と調査を進め、結果を開示するよう求めている。

 松本市教育委員会の赤穂優教育部長は「分かった情報はすべて知らせてきた。今後も誠意をもって対応する」、清水中の花岡豪校長は「係争になるのでコメントは差し控える」と話している。