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黒姫山に雷鳥 | |||||||
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上水内郡信濃町の黒姫山(二、〇五三b)の山頂近くで今月初め、登山者が国特別天然記念物のライチョウを確認、写真に収めた。信大教育学部の中村浩志教授(鳥類生態学)によると、北信地域の山でライチョウが撮影されたのは、一九六五(昭和四十)年四月に飯縄山(一、九一七b)で撮られて以来四十一年ぶり。黒姫山での報告例は初めてという。
見つけたのは、東京都東久留米市の高校教諭斧原俊昭さん(49)。三日に同僚と二人で登ったところ、午後一時前、稜線(りょうせん)でライチョウ一羽を見つけた。「人を恐れることもなく、首をかしげながら近寄ってきた」と斧原さん。三bほどの距離で撮影できたという。
中村教授によると、このライチョウは頭の部分の特徴から雌とみられ、夏に向けて羽根の生え替わりが始まっている。
黒姫山から十数キロ北、新潟県の火打山(二、四六二b)はライチョウの生息地で、中村教授は火打山か、北アルプス北部から移動してきた可能性を指摘。ただ、黒姫山には営巣に必要なハイマツが少ないことから「繁殖は難しいのではないか」とみている。
写真:今月3日、黒姫山で確認されたライチョウ=斧原俊昭さん撮影