カラコルム6大氷河・最後の挑戦へ

松本の55歳林原さん

「仲間と助け合い」

信濃毎日新聞 掲載

平成18年4月6日(木)


 松本市安曇のパン店経営、林原隆二さん(55)が隊長を務める踏査隊が六月、インド、パキスタン、中国の国境付近にあるカラコルム山脈のバツーラ氷河(長さ約六十キロ)横断に挑む百巨大な氷河に魅せられ、これまでに別の踏査隊の隊長として付近に五つある氷河(計約三百キロ)を横断。今回成功すれば、同山脈の主要氷河をすべて横断することになる。

 同山脈一帯の地図作製などをしている任意団体「日本ヒンズークシュ・カラコルム会議」(事務局・横浜市)によると、「六つの氷河すべての踏査は前人未到」という。

 カラコルム山脈は世界第二位の高峰K2(8611b)をはじめ八千b級の山々がそぴえ、その間に主要な六つの氷河が広がる=地図。その一つ、シアチ

ェン氷河は、インドとパキスタンの軍隊がにらみ合う「世界で最も標高が高い戦場」として知られる、

 林原さんは大阪府堺市出身で、二十一歳からヨーロッパやアフリカの高峰に登山。一九七六、七七年と続けて日本山岳協会隊員としてK2登山に参加し、カラコルム山脈の氷河に引かれた。見渡す限りの岩と雪、氷…。「いろいろな角度から眺めないと、本当の山の姿は見えない」と実感したという。

 七九年、八人の踏査隊の隊長として同山脈のヒスパー、ビアフォ、バルトロ、シアチェン、チョゴルンマ氷河の連続横断に初挑戦し、ほとんどの区域で成功。この時、印パの領有権紛争の影響などで立ち入ることができなかったヒスパー、シアチェン再氷河の一部についても、九七年と二〇〇二年に横断した。

 残るバーツラは昨年秋に挑戦する計画だったが、パキスタンで起きた大地震のため延期した。今回は6月に同国の首都イスラマバード経由で空路か陸路でギ

ルギジトに入り、一カ月ほどかけて氷河に挑む。

 県外の登山仲間二人と踏査隊を組む。現地の様子を写真や映像に収め、地球温暖化の影響調査に役立てる考えだ。林原さんは「年齢を考えると、最後の機会。仲間と助け合いながら達成したい」と話している。

写真:長さ約60`に及ぶカラコルム山脈・パツーラ氷河の横断に挑む林原隆二さん